2011年6月27日月曜日

蒸したてです。

蒸したての上用饅頭を冷ましてます。


蒸したてなので、ざるに置いて冷ましてます。
上々の出来でしたが、もっとモッチリさせたいですね。

以前、ブログで、つくね芋の話をいたしました。
つくね芋は、これです↓


山芋の一種なんですが、兵庫県篠山市が産地です。香りがよく、舌触りも滑らかです。このつくね芋の皮を剥くと、こうなります↓


そして、細かく擦るとこんな粘りになります↓


ここに砂糖や米粉を加えて、餡を包んで蒸し上げると一番上の写真のようにできます。
もっと、モッチリとした触感になるように改良しないと!

2011年6月18日土曜日

寒天は、お好きですか?

先日、寒天作りの見学をしてきました。

ここは、岐阜県の恵那市の山岡町及び岩村町周辺です。糸寒天全体の70%をこの一帯で生産しています。糸寒天がたくさん天日干しされていました↓


一般的に寒天というと、大体が『粉寒天』です。粉寒天は、カンカンした歯ごたえで、弾力に欠けます。

おこぼでは、『糸寒天』を使用していきます。『糸寒天』の特徴は、『粘り』です。堅いだけじゃないんです、この粘りがグニッとした、とても良い触感を出します。羊羹は、もちろんですが、あんみつの寒天を『糸寒天』で作ると、グニッとした触感が楽しめて幸せになります(笑)

これが『糸寒天』です↓


『糸寒天』は、天草(テングサ)という海藻を加工して作ります。


地下水の美味しい水を使って『糸寒天』を作っています。


この天草を地下水で煮込み、ゆっくりと粘質分を溶出させます。粘質分の溶出する際も機械ではなく、重りをのせて、ゆっくりと抽出し、この独特の触感を作りだします。凝固させた心太(トコロテン)を凍らせて、乾燥させる為に、天日に干します。



こちらの寒天の工場では、全て手作業で作られています。そして、とても丁寧に説明をしてくださり、企業としても見習う点が非常に多くありました。

和菓子菓寮 おこぼ の開店まで、あと3カ月ちょっとです。これからは、今までの材料を使って、和菓子へと変えて行き、ブログにたくさん写真を載せていきます!

かね井



この写真をみれば説明が無くても美味しいのが伝わります。

私が、リスペクトしてやまない、京都西陣にある お蕎麦の『かね井』さんです。
『かね井』さんに通い始めたのは、二十歳からですので、もう10年になります。

お蕎麦は細めで、味わいは、とても繊細です。
おつゆは、フルーティな香りがします。これがほんとなんですよ。
どなたか食べたことある方は、コメントください。


こういった、ちょっとした物も美味しいです。優しい味で、繊細です。出し巻き玉子は、最高ですよ。


町や造りの建物の奥には、坪庭があります。この時期の夜、かね井さんに訪れると、涼しげな風が風鈴の音と共に通ります。
かね井さんへくると、とても癒されます。

おこぼもそんな風に思ってもらえるお店にしていきたいと思います。

2011年6月11日土曜日

白小豆

みなさん、白餡はお好きですか?
大抵の白餡は、手亡という白いんげんを使って、白餡にしています。

『和菓子菓寮 おこぼ』では、白小豆を使って、白餡を作って行く予定です。
白小豆は、とても貴重な小豆です。生産地も限られており、出荷量は極わずかです。その為、白小豆を使って白餡を作っているところは、全体の数パーセントも無いかもしれません。

私も白小豆を探すのに数カ月を費やしました。
ちなみに白小豆は、こういう物です↓


これほどまでに白小豆に執着したのは、白餡として使うのはもちろんですが、白餡を加工して生地にする生菓子が多い為です。京都の上菓子屋で学んできた私にとって、生菓子で多様する白餡は、お店のクオリティその元と言って過言ではないのです。

白小豆は、とてもクリーミーで、まろやかな白小豆の良い香りがします。手亡豆で作った白餡は、独特な香りがして、私自身この香りが苦手です(笑)

白小豆で作った白餡は、白餡好きはもちろんですが、白餡が苦手な人も美味しいと思うはずです!先ほど作った白小豆の白餡を白餡嫌いな姉に食べさせて実験しました。その結果、この白餡は、美味しいと言いましたので、間違いありません!

2011年6月5日日曜日

フランス食堂 アルザス

京都には、住んでおりましたし、今でも年に12回くらいは行きます。ほぼ月一ペースとなります(笑)。という事で、私が影響を受けた、京都の美味しいお店をご紹介したいと思います。

京都市北区にある『フランス食堂 アルザス』です。

あれ?和菓子じゃないの?と思われるでしょうが、アルザスさんをご紹介するのには、訳があります。今秋にopen予定の『和菓子菓寮 おこぼ』は、始めの内は、お菓子作りから接客、ブログの更新まで、店主の私が一人で、行っていきます。それを決意させてくれた、とても美味しくて素晴らしいお店なのです。

アルザスさんもご主人一人で、調理から接客までこなしております。このご主人が全てをこなします↓


何を隠そう、私自身、京菓子屋で務める前は、何軒かのレストランでシェフをしていました。京菓子屋で務める為にレストランを辞めた私に、他のレストラン数件から誘いがありました。そんな私ですので、料理を見る目は、和菓子を見る目よりもウルさいかもしれません。それでもこのアルザスさんの料理のクオリティーには、素晴らしいの一言しかでません。


フランス食堂アルザスというくらいですので、アルザス地方の料理が中心のメニューです。席数は14~16席くらい。私が通い始めた7年前は、予約もいらないくらいでしたが、今では予約を2、3週間前にしないと食べれないお店になっております。


ここのパンは、中がモチモチの生地で、外側はビスケットのような触感でサクサクしています。これまで食べたパンで一番美味しいと感じました。パンを食べ過ぎて、他の料理が食べられなくなるので、食べすぎ注意の張り紙が必要です。奥に見えるパテは、肉臭くなくグリーンサラダと食べると最高で、ワインにもぴったりです。手前の白いのは、ヤシの実のサラダです。あまり見かけませんよね、ホワイトアスパラにもう少し歯ごたえを与えたような触感です。もちろん美味しいです!


アルザスさんの定番メニューのシュークルートです。フランスアルザス地方は、ドイツに近いので、ドイツ料理に似たものが多いです。キャべルのザワークラフトの酸味が、お肉やソーセージをさっぱりさせて、最後まで美味しく食べれます。


若鶏のクリーム煮です。下味がしっかりしていて、濃厚で凄く美味しいです。このセンスに嫉妬しますね。ここまでの料理とワインのサーブをコースじゃなく、アラカルトを一人でこなすなんて、頭が素晴らしく良くないとできません。


最後は、デザートです。ご主人は、少し変わってらっしゃるので、オススメのデザートは、ありますか?っと聞くと、いやぁ特にないですねー。っという返事が返ってきましたが、どれも凄く美味しいです。アイスのコーヒーがけとモモのパフェです。単純そうに見えますが、細部までちょっとした工夫がされています。

お腹が、はち切れんばかりに食べて、グラスワイン1杯飲んで、デザートも食べて、一人だいたい2500円以内で済みます。脅威です。近所に欲しい。

このくらい喜んでもらえるお店にしたいと常々思います。
次回の美味しいお店は、和菓子のお店をご紹介しようかな。
おわり。

2011年6月1日水曜日

阿波の和三盆糖

おこぼブログでは、お店で使う和菓子材料を通して、使っている和菓子の材料がどういう物なのかをお伝えし、同時に和菓子材料の生産者さんの努力や思いもお伝えできればと考えています。

また、皆さまにおこぼの和菓子で喜んでもらえた際は、喜んでもらえた事を生産者の方にもお伝えし、喜びを共有することが本当の流通の仕組みであり、和菓子菓寮 おこぼ の役割だ。とも考えています。

ですので、おこぼで使う材料は、なるべく私自身で生産者さんの元へ行き、見学やお話を伺う事にしております。

ということで、今回は、和三盆糖を求めて阿波の国、四国の徳島県へと行ってきました。

その前に 和三盆糖 って何かというと、日本の在来種であるサトウキビ、竹糖(ちくとう)を伝統的な製法で作った高級砂糖の事をいい、主に高級な和菓子に使われます。ほんとに高級です。世の中の砂糖の中で一番高級です。言いきれます!

こんな感じに少し黄色がかったフワフワしたお砂糖です↓


和三盆糖は、徳島と香川県が生産地ですが、和三盆糖を製糖している所は、数件を残すのみとなってしまいました。その味も製糖所によって、かなり違うんです。

私は、和三盆糖が大好きで、和菓子には欠かせない物だと考えています。そこで、自分が一番香りが良く、まろやかで美味しいと思う和三盆糖の製糖所さんにアポなし突撃訪問をする事にしたのです。突撃先は、こちらです↓


なんということでしょう、そうです、民家です。想像では、工場的な建物を思い浮かべていたので、そうとう尻込みしました。でも、愛知県から徳島県まできて、引き返す事は、できません!玄関先のワンちゃんに吠えまくられても、このまま帰る訳にはいかないんです!

勇気を出して、こんにちわーっとあいさつすると、とても感じの良いご家族が出迎えてくれました。どうやら、ご家族4人で製糖所を営まわれているようで、アポなし突撃訪問にも関わらず、親切丁寧に竹糖畑や作る工程などを写真などを見せながら教えて頂きました。

こちらが竹糖畑です↓


どこに竹糖があるか分からないですか?では、クローズアップしましょう↓


かわいいですね。実は、これから大きくなるんです(笑)
大きさは、沖縄のサトウキビの半分ぐらいの太さに育つとの事でした。沖縄のサトウキビと違い、手で収穫しないといけないので大変だそうです。

私が、ここの製糖所さんへ愛知県からわざわざ伺った理由は、他製糖所さんの和三盆糖がツンとくる甘さや黒糖のような強い香りがするのに対し、こちらの製糖所さんの和三盆糖は、香りが上品で、甘味は、非常にまろやかだと感じたからです。その事を伝えた所、こんなお話を聞きました。どうやら、他の製糖所さんは、竹糖以外に、通常の砂糖や竹糖では無いサトウキビを使って和三盆糖を作っているそうです。

竹糖を使っていないから、美味しい、美味しくないとかでは無く、香りや甘みの違いが、こういう所で出るんだなと勉強になりました。

そんなこんなで、1時間以上楽しくお話をして頂いた上、和三盆糖のサンプルや和三盆糖を精製する時にできる、糖蜜を頂けました。帰り際には、まだ、お店すらできていないのに、和三盆糖のお干菓子を製糖所用に作ってほしいとご相談を受けました(汗)

まだ、こちらの和三盆糖をお菓子に試した事もないので、まずは和三盆糖のお干菓子が出来上がったら持ってきますので、その上で御判断ください。と言い、製糖所を後にし、阿波踊会館で阿波踊りを見て愛知県に帰ってきました。

私は、今回の和三盆糖のアポなし突撃訪問を通して、この美味しい和三盆糖と糖蜜を使って、おこぼの美味しい和菓子を作ろう。と心に決めたのでした。
おしまい。